レッスンについて

Ａ－　 どういうふうに練習すればうまくなるのでしょうか。 ゴルフは動かずに止まっているものを打つということですが、なぜ運動神経がなくても上手になれるのでしょうか？

オオカワ　私のコーチは、みんな自分のことに置き換えないと駄目だと言っていました。最初のレッスンのときに、「これがゴルフのクラブを持つ力だ」と、まず握手されたのです。スイングはゾウさんのお鼻とか、立ち方はゴリラを意識してリラックスしてとか教わりました。「アドレスとは、Eメールアドレスか」というレベルの人に専門用語ばかり言うとゴルフは難解になるから、自分の身近な言葉を使って初心者に説明しないと駄目だと、そのコーチはずっと言っていました。

Ｂ－　いい先生ですね。

単純に、動いているものに関しては自分が動かなければならないし、さらに瞬発力を使ったりするには運動神経が要ります。ゴルフは、単純に振り上げたものを元の位置に戻すという動作で当たる、当たれば前に飛ぶ、それを繰り返せば単純にうまく回っていけるので、それほど運動神経は求められません。対戦相手の動きに合わせて動き方が毎回変わるスポーツと違って、ゴルフは毎回同じ動きです。いくら運動神経がなくても、慣れだけでいいのです。ですから、ここに来た当初にひどいスイングをする人がいますが、レッスンを続ければきれいなスイングになって、どんどん落ち着いてきます。

Ａ－　技術のスポーツとか言われるから、結構難しいのではないかと最初は思っていました。けれども、やっていれば慣れるということですね。

Ｂ－　僕も「この人がここまで来たか」と感動することがあります。ちゃんと自分が頑張っていれば、うまくなっています。ただし、先ほど言ったように、100を切るとかはまた別の話ですが、きれいなスイングをして当たるようになるので、少なからず楽しくなると思います。

Ａ－　当たるようになって、ボールが浮けば楽しくなりますからね。

Ｂ－　そして、距離も出るようになってきます。

タンザワ　僕はサッカーをやっていたけれども、あまり練習は関係ない部分があります。あれは最後の最後まで、相手がどう動くか分かりません。いくら練習していても、相手は全く想定外の動きをしてくるから、そこに対しては運動神経しかないのです。いつもシュート練習をしているけれども、敵が後ろから追い掛けてきている状態で、同じシチュエーションでも全然違うわけです。キーパーの動き方や癖は人それぞれだし、いつも練習しているから、こちらへ蹴れば、この人はこう動くとか、だんだんインプットされていっても本番は「瞬間のひらめき」です。

Ａ－　敵がいるかいないかですね。

タンザワ　けれども、ゴルフの場合は基本的には、敵は自分なのです。風とかいろいろな問題はプロの世界であって、やはりアマチュアのゴルフはたたいて真っすぐ行けばいいということです。想定外の動きはそれほどないし、自分の対応力次第です。シチュエーションは当然それなりにありますが、相手が動いてくるところをよけたりするのがないから、運動神経は、基本的には全く要らないのです。

Ａ－　一番マイペースで楽しめるスポーツなわけですね。ですから、お年寄りでもできるのですね。

オオカワ　最近見ていて思ったのが、女の子のほうが男の子の10倍練習しないと、同じスコアにはなりません。

タンザワ　初心者男女でスコアの違いは、アプローチ・パターと言われています。飛距離とかもありますが、男性はそこの感覚がいいようです。

Ｃ－　男の人はうまいですよね。多分、力の差や体格ももちろんあるのでしょうが。

タンザワ　ミスショットもするのですが、それで飛ぶのもまず一つあるのと、アプローチの寄せの最後のほうは女性の人と比べて結構うまいのです。男性は、どうしようもないミスをあまりしません。女性は、どうしようもないミスをしてしまいます。

オオカワ　当たらないとかですね。

タンザワ　男性を見ていて、それはあまりやらないですね。制御がうまい人が結構多いです。

Ｃ－　初めての女性の体験レッスンではすごく素直に聞き入れている感があって、最初は男性よりも女性の初心者のほうがきれいに打っている印象があります。

Ｂ－　スイングはきれいになりやすいです。そこは素直さが違うのもあると思います。

オオカワ　スコアが早く上達するのは、やはり男性でしょうね。

タンザワ　男は見た目でやっているから、動きを勘違いしているわけです。ゴルフは縦振りだというのを知らない人がほとんどなのです。テニスや野球のように横振りのイメージなのです。サンクチュアリに入ってから、初めて重要なのはここだというのを知るという感じです。男性はやはり、先に絵が浮かんでいるから真似しているのです。それは、全く理にかなっていないのです。その意味では女の子のほうが先入観がないから、いいように打てる素直さがある程度あるのでしょう。

Ｃ－　ですから、ゴルフに対して一歩踏んでもらえれば、女性でも「私、当たるんだ」という感動は与えやすいのでしょう。男性のほうが、「自分はゴルフは嫌いなので」「運動神経が良くないから」と過去、周りに断った人が体験レッスンに嫌々来て、当たったときの爽快感をどこまで感じているのだろうかというときに、男性よりも女性のほうが、「私、すごく楽しかった」というのは強いかもしれません。でも、男性ははまりやすいから、悔しいからやっていくようになるのです。どんどん来て、最終的にすごくきれいになって、スコアも良くなって、「僕、嫌々始めたけれども、こんなに楽しくなりました。ありがとうございます」というのは男性のほうです。スタートラインのレベルの違いはもちろんあると思いますが、ゴルフは思った以上に始めやすいスポーツだと、女性でもやってみて初めて気付くかもしれません。